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1. ROBOBIKEとは
普段なにげなく乗っている自転車ですが、人がどのように操縦しているかを言葉で説明するのは難しいことにお気づきでしょうか?
ROBOBIKEは「無人でもころばない自転車を作る」という、一見シンプルで実は奥深い課題への解答です。
走行中の様子を動画で紹介→https://www.youtube.com/watch?v=hnzmROLarnQ
2. 倒れずに走り続ける
もともと不安定ですぐに倒れてしまう二輪車なのに、絶妙なハンドルさばきで走り続けるROBOBIKEの姿は、とても不思議で見ていて飽きません。
ROBOBIKEは、人が乗る自転車の原理をそのままに、無人で走るロボットですが、実は1990年代にCMでお茶の間を賑わせていた自転車ロボット——「ムラタセイサク君」の初代モデルに端を発しています。
「なぜころばないのか?」「どんな操縦をしているのか?」簡単だけれど奥が深い、そんな体験ができる不思議なロボットです。

このページにある写真や説明は、開発中の試作品をもとに作成されています。
製品化にあたっては、量産化のために形状や仕様値が変わる場合がありますのでご了承ください。
3. ROBOBIKEの主要諸元
【寸法】L160 x W80 x H220 *1
【重量】170g *1
【車輪直径】60mm
【走行速度】0.25m/秒
【通信方式】WiFi 2.4GHz帯
【操作方式】スマートフォンでWEBページを表示
【複数同時走行】可能
【電源】3.7V 800mAh LiPo充電池
【稼働時間】約2時間
【充電方式】5V 1A スマホ用USB充電器 type-C *2
【材質】木材、合成ゴム、PC樹脂、PVC樹脂、アルミ合金、その他
【法規制対応】電波法工事設計認証取得済、電気用品安全法(PSE)対象外
*1 付属のロボット人形を含む
*2 USB充電器はキットに含まれません
4. キットの内容
ROBOBIKEは、ユーザー自身が組み立てることで、構造や制御の仕組みを深く理解できるロボットのキットです。
📦 キットに含まれるもの

キットの内容品
【フレーム、車輪】材質はシナベニヤ、軽量で加工性に優れる。スロットイン+接着剤で組立。フロントフォークは工場組立済


【制御基板】
WiFi機能付きマイコン搭載、ジャイロセンサー、充電制御、サーボ制御。
希望者には回路図とソースコードを提供
【電池】
LiPo充電池、USB充電対応
【サーボユニット】
ステアリング:小型サーボ、サーボホーンはフロントフォークに取付済
サイドスタンド:小型サーボ、サーボホーン取付済
後輪駆動:連続回転サーボ、サーボホーンは後輪に取付済
【人形、前照灯】
ロボット型人形×1
LEDユニット×1(基板に配線済)
【その他の構成部品】
ビス、ナット、ワッシャー、結束バンド、前車軸、ホイルストッパー等
【対象年齢の目安】12歳以上
※組み立て、走行にはキットのほかに、下記の工具類をユーザー様でご用意ください。
・ 瞬間接着剤(低粘度型)
・ +ドライバー(1番)
・ 対辺1.5mmの六角棒レンチ
・ ラジオペンチ、または対辺5.5mmのスパナかボックスレンチ
・ スマホ用USB 5V充電器、充電ケーブル(TYPE-C コネクタ)
・ 操縦用のスマートフォン(WiFi接続ができるもの)
5. ROBOBIKEの技術
🔧 ジャイロセンサーの進化とロボット自転車の系譜
1990年代、三角柱型の振動ジャイロが登場し、コマが回転する従来のジャイロに比べて小型・高感度・高速応答を実現。ビデオカメラの手振れ補正やラジコンヘリの安定化に活用されました。
この技術を活かして、現ROBOBIKEのプロジェクトリーダーが企画、開発した自転車型ロボットが、初代ムラタセイサク君 *1 でした。ムラタセイサク君はセンサーメーカーの技術PR用としてテレビCMや展示会で話題を呼びました。
あれから30年、半導体技術の進歩により、センサーは米粒より小さく、感度・精度・安定性・応答速度が飛躍的に向上し、低コスト化が実現。ROBOBIKEは、そんな現代のセンサー技術に支えられて走ります。
*1 ムラタセイサク君は株式会社村田製作所の登録商標です。
🚴♂️スマホで操縦、アプリ不要
ROBOBIKEは、搭載するマイコンが内蔵するWiFI通信機能を活用し、スマートフォンから直接操縦できます。 ROBOBIKE本体が自らWi-FiアクセスポイントとなってWebサーバーを立ち上げ、スマホを接続するとすぐに操作画面が表示されるので、専用アプリは不要です。i-Phone、Android、どちらも使用できます。

操作画面はシンプル
前進・停止・旋回の動作が可能。誰でもROBOBIKEの操縦を楽しめます。
加えて、サーボの角度を調整したり、制御パラメータのアジャストやセンサーの較正をする機能を用意。一台ごとにきめ細かな調整が可能です。
走行環境について
ROBOBIKEを走らせるには、タタミ1畳ほどの滑らかで水平な床が必要です。フローリングやクッションフロアが適しています。
タタミ、毛足の長いじゅうたん、屋外の路面など、凹凸のある場所での走行は難しいです。
複数台の同時走行も可能
それぞれのROBOBIKEにスマホを接続すれば並走も可能です。
▶︎ 2台同時走行の様子フレームには、軽量で強度が高いシナベニヤを採用。レーザー加工により、少量でも高精度な部品製作が可能となり、設計意図を反映した形状と強度を実現しています。 プラスチックの射出成型は初期投資が高額になるため、ROBOBIKEのプロジェクトでは採用していません。
🚴♂️新機軸 オートサイドスタンド
ROBOBIKEは、停車時のスタンド展開と走行中の転倒防止制御をつなぐ新技術「オートサイドスタンド」を搭載。セイサク君では実現できなかった、自然な操縦体験を可能にしました。

🔧 教材としての価値
ROBOBIKEのを購入者には、ソースコードや回路図等の技術資料の提供をいたします。組込み制御・自動制御を学ぶ教材として最適。
技術構成の特徴
・ RISC-Vコアの無線モジュールによる組込み制御
・ Arduino依存から脱却、ESP-IDF(C言語) + VSCode に対応
・ I2Cによるジャイロセンサー制御
・ RTOSによる割り込み・タスク連携、タイマー、PWM信号生成
・ 高速演算ループによる転倒防止と方向制御
・ 内蔵Wi-Fiアクセスポイントの活用
・ HTML+JavaScriptによるWeb UI
・ サイドスタンドの自動展開、収納
・ LED前照灯(走行中:点灯、停止時:減光)
・ ロボット人形は重心位置調整用ウエイトとして機能
※ 人形は、同程度のサイズ、重量であれば交換可能ですが、パラメータの再調整が必要になる場合があります。
6. 今後の展望
・ 教育機関向けの教材化
・ ワークショップでの活用
・ オープンソース化による改造・拡張の促進
・ 6軸IMUを活用したより高度な制御(停車時にも倒れない操縦など)の研究
7. よくある質問(FAQ)
・ROBOBIKEはどうして転ばないのですか?
一言でいうならば、傾いた方向にハンドルを切って、タイヤの接地点と重心位置の関係を変化させ、姿勢を立て直しています。倒立振子と同様の動作を、車輪の回転方向の換わりに、ハンドルの切れ角で行うとも言えます。
また、曲がりたい方向に傾くよう、故意にバランスを崩すことで進行方向をコントロールしています。
なお、ジャイロ効果で転ばないと言われることがありますが、2輪車の安定とジャイロ効果は関係がありません。
・走らせた時の面白さは?
組立後の調整が完了すれば、自由なコースで走れるようになります。
乗っているロボットは人形で動きませんが、まるで意思を持って操縦しているような錯覚に陥るほど、違和感のない存在に見えてきます。
・教育用途で使えますか?
ユーザー向けに、回路図やプログラムのソースコードをすべて提供する予定ですので、自動制御理論、センサ技術、組込み開発の教材として好適です。
・組み立ては難しいですか?
接着剤とドライバー等の簡単な工具があれば、30〜60分程度で完成します。また図解付きマニュアルをWEBページとして提供予定です。
・法規制に対応していますか?
電波法に基づいた認証を取得済みですので、安心して使用できます。
・電池は安全ですか?
モバイルバッテリーと異なり、PSE対象外の低エネルギー密度の電池を使用しているので危険性は低いですが、電池に衝撃を与えたり、分解、短絡、高温、多湿、水没などは事故を招く恐れがありますので、取扱には十分ご注意ください。


